快適な朝を迎えるために。睡眠の質を上げる5つの行動
昔から「寝る子は育つ」といわれますね。
脳科学、生理学、その他の発達で睡眠のメカニズムが明らかになるにしたがって、その重要性が再認識されているようです。
私たちは睡眠、すなわち眠ることによって、
肉体的な疲労の回復
肌や体組織などの修復や新陳代謝
深層意識レベルでの“浄化”作用によるメンタルストレスの軽減
免疫機能と自然治癒力によるケガや病気の回復
などを自動的に行っています。
逆に言えば、十分な睡眠が得られないと、肉体的・精神的な疲弊が回復不能なまでに積み重なって、思わぬ疾病につながりかねません。
最近の映画「ヒトラー暗殺、13分の誤算」でも、ゲシュタポに捕えられた主人公が、厳しい取り調べのあとで、煌々と灯る留置場の明かりを手で遮ろうとすると、すかさず、それを禁止されるシーンがありました。
思うように眠れない状態は、それ自体がひどい拷問に匹敵することは、古くから知られた事実です。
身近なところでは、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)による問題があげられます。
肥満や高脂血症、心疾患、動脈硬化といったさまざまな疾病の要因となるだけでなく、集中力や記憶力の低下、思わぬ居眠りによる事故がよく知られています。
寝る間を惜しんで趣味に没頭する。
寝ている場合じゃないと、仕事ばかりしている。
そんなふうに睡眠を後回しにしてしまうあなた。
長い人生を身体的にも精神的にも高い質で送るためは、快適な眠りを確保する、あるいは睡眠の質を上げていく努力が、とても重要。
そのためにも、習慣にしたい、あるいは避けるべきこととして、よく知られたポイントを5つにまとめましたので、再確認してみるのはいかがでしょう。
1.「寝る習慣」を確立する
「眠くなれば寝て、あとは自然な目覚めを待てばいいんじゃないの?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。
でも、一番大切なのは、決まった時間帯に就寝・起床して、生活のリズムをつくることなんです。
仕事の都合など、思うように睡眠を確保できない現代社会。
せめて毎日、同じような時刻に就寝・起床するといった生活習慣を意識して、体を“慣らして”いきましょう。
きっちりと最低限より多くの睡眠時間(個人差も大きく、加齢とともに短くなります。たとえば40代なら6時間程度という説もあります)を確保したうえで、質の高さと深い眠りがキープできていれば、そうした環境・習慣に体のほうが適応し、睡眠による必要な効果が得られるからです。
2.「寝るサイン」をつくる
これは前述とも関連しますが、“このようにすると眠れる”という要素を意識して整えておき、体や脳に「自分はこれから寝るのだ」と伝えるのです。
たとえば、お気に入りのパジャマの柄、寝る前のおまじないのセリフ、心地いいと感じる枕の高さ、なんとなくリラックスできるハーブティー、好きなアロマの香りかぐ……。
内容は何でもかまいません。自己暗示にも通じますが、たくさん条件があるほど睡眠時間の減少を防ぐ確率が上がりますので、長い目で見れば意外に効果的な手段です。
3.雰囲気を切り替える
人は睡眠によって体の回復モードに入るために、呼吸が深くなり、体温が低下し、生体反応が鈍るといった生理現象を伴います。
質の高い睡眠のためには、それに合わせた環境を作りあげる必要性があります。
何はともあれ、まずゆったりと横になりましょう。
体を横たえるというあたりまえの状態は、私たちが進化・適応という長い時間の過程で身につけた、睡眠のための環境づくりとも言えるのです。
次に、部屋の照明やテレビを消す、精神の高ぶりを抑えられる色やカタチのグッズを置くなどで、外的・内的刺激がなるべく少なくなるよう心がけましょう。
耳栓やアイマスクはその点でも、有効なツールです。
また、寝る前にあれこれクヨクヨと思い悩まず、落ち着いた気持ちを得るためにどうするかを考えましょう。
あるいは、寝る直前まで気持ちが昂るような音楽を聴いたり、映画やドラマを観たりといった習慣も、スムーズな誘眠と深い眠りを求めるなら、望ましいことではありません。
4.食後すぐに寝ない
食べてすぐ寝ると牛になります。もとい、胃腸に余計な負担がかかります。
また、ある程度消化活動が落ち着くまで、体は深い眠りに入らないようにできています。
さらに胃酸が逆流して喉や肺を痛めたり、摂取した糖質が脂肪として蓄積されたりで、百害あって一利なしです。
少なくとも就寝時間の3時間程度前までには夕飯を済ませておくようにしましょう。
やむをえず就寝予定時刻近くに食事をする場合には、ラーメンやカレーなどのガッツリ系炭水化物は絶対に避け、
簡単な葉物サラダやコンソメスープなどに代えて胃腸の負担を減らしてください。肥満リスクの低減にも少しは役立つでしょう。
5.適切な体温マネジメントを心がける
最近の研究で、眠りが深いほど体温が低下する現象が分かってきています。
寝る前に、ぬるめのお風呂につかって体を温めておけば、その後の放熱を促進して睡眠に適した体温低下状態を作り出せるため、質の高い眠りにつながるようです。
これから寒くなる季節を迎えます。
手足の冷えはもちろん快適な睡眠の妨げになりますが、やみくもに室温や電気毛布の温度を高くすればよいというわけではありません。使う寝具の選択のしかたがよい結果になる場合もあります。
温度と同様に、湿度その他の室内の“空気”も重要です。
乾燥しているとカゼや喉を痛める原因になりますが、湿度が高すぎても、寝苦しく、睡眠が浅くなりがちなことは、経験的にご存じだと思います。
エアコンだけでなく、換気にも着目してみる必要があります。
いかがですか?
毎日の生活習慣に深く関わることばかりなので、いざ改善しようとしても、なかなか簡単にはいかないと思います。
でも、眠るための5つの行動を実行すると同時に、睡眠がどれほど重要かの意識づけをしっかり行うと、睡眠不足でお悩みの方はもちろん、改善を継続させるための原動力につながるかもしれません。
私は誰かに言われた一言をくよくよ考え続けて、朝になったなんてことがしばしばあるので、最近は、ぬるめのお風呂に入って、「気にしな~い!」と思い切って声に出して暗示をかけるようにしています。
